WBS作成のコツに興味はありますか?実践PM教室として、記事を掲載しておりますので、是非ご覧ください。
WBSを作成する意味
私は、IT業界26年、フリーランス4年目のベテランで現役PMです。
PMになりたての自分が知りたかったノウハウを、皆さんに共有しようと思います。
熟練したPMによるWBSには、様々な情報が詰まっています。
経験で染みついているため、言語化されない内容も多いと思います。
実際、何を詰め込んでいるのか、分かり易く要素をお伝えします。
<WBSに詰め込む要素>
- 大まかな作業の洗い出し
- 重要なタスクの対応計画
- 実際の要員を想定した作業分担
- 計画通りに進まない場合にリカバリーする想定
- 計画を実現する戦略イメージ
WBSは、ただ資料として作成する訳では無く、この様な要素を入れて検討した結果をWBSの中に入れる事が重要です。
それでは、各要素毎に、ヒントをお伝えしましょう。
大まかな作業の洗い出し
計画を達成するための計画として、欠かせないものは作業の洗い出しです。
計画段階では、細かい作業まで、全て漏れなく洗い出す事が難しいです。
特に重要な大きな想定が漏れていると、計画は破綻します。
そこで、まずは大まかな作業の洗い出しを行い、大まかな作業について漏れが無く洗い出します。
経験を積んだ人であれば、自分の経験値でカバーできますが、経験が浅い場合でも、想像力を働かせて、これから発生する作業について具体的なイメージを持って予測する事が大切です。
一旦は、自分の想像で作業を洗い出して、経験のある人にレビューしてもらう事を推奨します。
ただし、未知の作業を予測する想像力は経験のある人でも必要な能力です。
経験が無くても想像力を最大限に働かせて、大まかに、どんな作業が必要かを自分の頭で考えるようにしましょう!
重要なタスクの対応計画
プロジェクトを予定通りに完了させるためは、特に重要なタスクを予定通りに終わらせる事が重要になります。
具体的な例として、未経験で技術的難易度が高い開発が重要タスクであった場合、ここが計画通りに完了できる否かがプロジェクト成功への大きな意味を持ちます。
WBS項目の中には、様々な難易度・困難度のタスクが存在します。
簡単なタスクは、多少遅れてもリカバリー可能ですが、難易度・困難度が高い重要タスクの対応が遅れる事は、プロジェクトにとって致命傷となります。
そこで、重要なタスクについて漏れなくWBSに加える事が必要があります。
こちらも、自分の想像で洗い出した上で、経験のある人にレビューしてもらう事を推奨します。
想像力が大事なので、自分なりに先を見通して考えるように訓練しましょう。
実際の要員を想定した作業分担
WBSで、タスクとスケジュールを計画しても、実際に対応する要員が居なければ遂行できません。
必要な要員は、直ぐに調達できるとは限りません。
ただし、プロジェクトを遂行するために、ある程度メンバーは決まっている事が大半だと思います。
もし、計画遂行に必要な要員が不足している場合、具体的な要員(どんなスキルの人が何人必要か?)を明確にする必要があります。
絵に描いた餅では意味がありませんので、現実的に実行可能な計画である必要があります。
期待する要員の作業量が多くなる傾向もあり、各要員の作業量が現実的であるかも考慮から忘れてはなりません。
具体的な例として、特定の人にタスクが集中し、あれも・これも1人が同時に対応する計画になっており、計画段階から破断している事態には注意が必要です。
頑張る前提の計画では確実に破綻しますので、客観的な視点で遂行可能な計画に調整して行きましょう。
要員が不足している場合、具体的なスキル想定を決めた要員A・要員Bなどを仮に入れて計画を立てるようにして、必要な要員を調達するようにします。
この時、要員A・要員Bが、何でも出来る高スキルの人だと見つかりませんので、現実的に調達可能なレベルの人で計画しましょう。
要員調達は、WBS作成の早い段階から、調達担当の人と相談する事を推奨します。
計画通りに進まない場合にリカバリーする想定
WBSを作成しても、計画は予定通りに進むとは限りません。
必ずと言って良いほど、計画通りに進まないものです。
そこで、WBSには、計画通りに進まない場合に、どこでリカバリーするかの想定を含めます。
WBS作成に、高い予想が想定されるタスクが存在すると思いますが、そのリスクを全体影響が少なくなるように対策を計画の中に盛り込みます。
具体的には、複雑な要件で仕様確認に時間が掛かりそうな要件定義や設計フェーズがあったとします。
その場合、スケジュールとして、該当箇所だけ早めに着手し期間を長めに取る事や、ここだけ熟練した支援要員をアサインして、予想されるリスクを軽減する様な計画にする事が対策となります。
この様に、WBSには、事前に予想されるリスクを軽減する対策まで計画に含める事が非常に重要です。
熟練した百戦錬磨のPMが作成するWBSには、この様な考慮が数多く含まれています。
予めリスクを予測する想像力と、現実的な打ち手を考える思考力がPMの本質だと言えます。
問題は、発生した後より、発生する前の対策の方が、少ない労力で済むのです。
WBS作成は、公式に当てはめる機械的な作業では対応できません。
自分の頭で考える事で磨かれて行きますので、自分の想像力を最大限に発揮して、工夫してみてください。
計画を実現する戦略イメージ
計画を立てた自分自身が、本気で実現可能なイメージを持てているかを考えてみましょう。
自分で計画を立てても、実現出来る気がしないのであれば、計画は不十分と言わざるを得ないです。
いろいろな難しい状況は予想されますが、考えられるリスク対策を計画に盛り込み、これなら実現可能と本気で思えるような計画にする事が大事です。
その為には、事前に発生する苦労・困難を予測し、どうやってクリアしていくかの想定を具体的に計画しましょう。
各想定シナリオ毎に、対策を整理し、言語化していく事は有効です。
様々な想定をして、具体的な打ち手を考えます。
ただし、全てを想定する様な準備時間やリソースは無いと思います。
戦略として大事な事は、限られたリソースと時間を前提に、打ち手を取捨選択し、実現可能で効果の高い対策を行う事です。
戦略立案する心構えとして、主体的にプロジェクトを成功に導こうとする強い意志を持つ事は大事です。
是非、貴方の戦略により、軍師:諸葛亮孔明の様に、この難しいプロジェクトを成功に導いてください。
まとめ
WBSを作成のコツについて、PMになりたての自分が知りたかったノウハウを、まとめてみました。
少しでも参考にして頂けると嬉しいです。
PMとしての活躍を応援しています。
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