【実践PM教室】進捗会議のコツ

仕事

進捗会議の目的

PMが主催する定例会として、進捗会議があります。

進捗会議は、進捗状況を把握する事が目的ですが、WBS上の進捗確認というだけでは不足です。

プロジェクト全体を対象に、表面化していない隠れた課題が潜んでいないかを探り、それを表面化する前に手を打つ事が求められます。

メンバーからの情報を元に、創造力を働かせて、PMとしてチームの隠れた課題を見つけて、適切な打ち手を示す事が真の目的だと思います。


進捗会議の悪い例

メンバーが虚偽報告で、問題を隠蔽するケース

メンバーがその場で問題の発生を指摘される事を避ける事が発生すれば、それは目的を果たせない事になります。

特に、メンバーとPMの間で、大きな壁が出来ているケースでは、メンバーはPMへの信頼を失った状態のため、何を言っても無駄だと考え、進捗会議でもPMとの接触を回避し、一刻も早く会議を終わらせるように行動する傾向にあります。

PMは、メンバーからの信頼が不可欠です。プロジェクトの問題があれば、PMが責任を持ってチームの統制を取って、問題を解決する行動を取るというイメージを事前に伝えておく必要があります。

その為には、PMは、日頃から、進捗会議にて、その様な考え・行動を取る姿勢を伝えておく必要があります。

そのため、先を読み、次に問題が発生しそうな箇所を事前に伝え、もし問題が発生した場合の対策をメンバーと話しておく事で信頼を得る事や、チームとしての一体感が出ます。

ただの上の立場から、怒るような進捗会議では、メンバーは虚偽報告する傾向になります。

PMから、プロジェクトメンバーに必要な情報共有が出来ていないなどは論外です。


遅延発生について、メンバーが自身の頑張りでリカバリーできると伝えるケース

メンバーの士気が高い場合、遅延があっても、頑張ってリカバリー可能という発言が出る事があります。

しかし、冷静に考えてみてください。既に頑張っていて遅延しているので、同じ様に対応してもリカバリーは難しいです。

今まで通りに対応した場合、今までを延長した結果が待っていると考えましょう。

具体的に、今までにやっていない具体策(例えば、別の担当者がリカバリーに入るなど)を打ち手にしない限り、リカバリーは実現しません。

PMとして、より重要な事は、このまま遅延した場合、プロジェクトとして全体に影響させない様な計画の再検討を具体的に検討する必要があります。


PMが個別に状況を聞いており、進捗会議ではPMが知りたい事だけ聞く

進捗会議は、PMが状況を把握できれば良い訳ではありません。

参加しているメンバーが、プロジェクトについて、全体の様子や最新情報を共有する場でもあります。

メンバーが一体となってプロジェクト成功のために、進めている事を感じる場でもあります。

各メンバーで一緒に頑張っている雰囲気を感じられる事、何か問題があれば、一緒に解決する雰囲気を作る事も進捗会議の大事な役割です。

WBSの資料上の進捗だけ、打ち合わせ無しとする場合、この役割の実現は難しくなります。

チームが場合は、更にサブチームに分けて、その中で実施する必要があります。

人間がやっている以上、士気は大事です。


進捗会議の重要ポイント

<進捗会議の重要ポイント>

  • PMの信頼を得ること
  • メンバーの士気を高めること
  • 発生した遅延に対して、現実的で効果のある打ち手を決めること
  • 今後の発生が予想される課題について、対策を共有する
  • プロジェクトメンバー間で必要な情報共有を行う


進捗会議のまとめ

熟練したPMは、その経験値で進行を進めます。

PMBOKの様な体系的な知識は、広い視野を持つために大切です。

しかし、本質は、人間同士がチームを作って共同作業しているという原点を忘れてはなりません。

PMは、メンバーを率いてプロジェクトを成功へと導きますが、何も偉そうに力を誇示する必要はありません。

様々な方法で、先を読み、裏に潜む課題の可能性を探り、プロジェクトの成功に向けて、チームを導く意識が大切だと思います。

手を動かす事より、今後の様々なパターンの対応イメージを考える事がPMの大きな役目であり、メンバーからの情報収集やメンバーへの発信が、進捗会議の大きな役目だと思います。


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